手術の合併症を正確に知りましょう

患者様に,「手術しましょう」というとみなさん嫌がられます.なぜでしょうか?
「お薬で散らせませんか」と聞かれます,なぜでしょう?

それは手術をすると合併症の危険があるからです.
患者様が手術を避けたがるのは,本能的に「手術は危険」という防御反応が働くからかもしれません.

手術には危険がつきもの.でも放っておくと今よりも悪い状態になることが分かっているから手術を受けるのです.

ただ,ご安心ください.急性虫垂炎の手術で合併症の起こる確率はどれも 1%弱,99人の患者様は遭遇することがないまま退院されます.
このページでは,この手術で起こりうるほとんどの合併症を書いてゆきます.

読み進めていくうちに,あまりに種類の多さに絶望的にならないでください.起こる確率は非常に少ないのです.

でもある程度合併症が凝る危険性は覚悟していただかなければなりません.
病気を治すために手術を受けなければならない.今後あなたにとって手術をしない危険性と,手術によって生じる危険性,どちらがあなたにとって不利益か,二つを天秤にかけて手術を受けるか受けないか決めていただくことになるのです.

合併症の種類

手術の合併症には

@全身麻酔による合併症
 麻酔をかけずに手術をすることができません.でも麻酔をかけるだけでも合併症があるのです.
 
A腹部手術を行うことによる合併症
 虫垂はお腹の中にある臓器ですから,それを外に取り出すという操作を行わなければなりません.おなかの中に入るということ自体の合併症があります.

B虫垂切除術を行うことによる合併症
 虫垂炎の炎症の程度はさまざまです.虫垂だけ取り除ける場合もあれば,周囲の臓器への影響が大きく,これらから引き剥がしたり,場合により一緒に取り出す必要がある場合もあります.それぞれの状況により合併症は異なってくるのです.

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