友紘会総合病院の腹腔鏡下ヘルニア手術は後腹膜アプローチ

腹腔鏡下を使ったヘルニア手術の傷は1cm,5mm,3mmがひとつずつです.
そして手術法は二通りあります.
ひとつ目はお臍の傷から腹膜の内側(腹腔内)に入ります.そこには腸や胃など腹腔内臓器があるのですが,これらをかき分けて鼠径部を見ると内鼠径輪という部分に,腹膜の深いくぼみが見つかります.これがヘルニアの元凶.ヘルニア嚢ですので,この周囲の腹膜を切り開いて,取り除きますこれで,筋肉の間に入り込んでいる腹膜が無くなりました.
次に筋肉の裂け目(内鼠径輪)の上にプラスチックの蓋(メッシュ)を縫いつけてヘルニアの出口を塞いでしまいます.
そして最後に先ほど切り開いた腹膜を縫いなおしてしまえば.手術は終了です.これが腹腔内からのアプローチ法です.

でもこの方法だと腹膜に傷を付けることになりますし,金属鉗子で腹腔内の臓器を触ってしまうことになります.ただ,出来ればこのように腹腔内経由で手術をすることは,そしてもう一つが

固定してこれを
腹膜を切開して腹膜の裏,筋肉の内側に入り鼠径輪にメッシュを充てる腹腔内
アプローチ法(TAPP法)と,臍の傷から直接腹膜の裏(筋肉との間)に侵入してヘルニア嚢を閉鎖し,鼠径輪にメッシュを充てる後腹膜アプローチ法(TEP法)があります.

後腹膜アプローチは腹膜の切開を加えず,腹腔内の臓器に触れずに手術を行ううため,腹腔内の術後の合併症が無い特徴があります.